今日は予報通り午後から雨。 舞台は東京高円寺から信州は長野へ、そして再び高円寺。 ときは平成元年。中央線高円寺で老舗の和菓子屋「松野屋」の一人息子で当時高校1年生の松野正雄と「短髪で早口でちょっとやくざっぽい匂いのするむーさん(齢は44,5)」を軸に物語は進んでいく。 むーさんは和菓子作りに必要な米を特製の自転車の荷台に積んでちょくちょく松野屋に配達でやってくる。 正雄の父は家族に内緒で始めた事業でだまされ、その借金のかたで松野屋をとられてしまう。正雄は一家離散の憂き目にあい、住み慣れた高円寺をむーさんと一緒に夜逃げする羽目になる。 向かった先はむーさんのふるさと長野。正雄は松野屋をつぶした父と一旦はそんな父に愛想をつかし離婚しながらまた父と一緒に暮らし始めた母がどうしても許せなかった。 正雄は高校を中退し、長野で新しい生活を始めた。正雄はむーさんから「何をしたい?」と聞かれ「和菓子職人」と答える。 むーさんの世話で正雄は長野市内の和菓子の矢萩屋へ弟子入りする。 小林一茶好きなむーさんが最期に詠んだ一茶の句は 正雄は生前のむーさんからいつか高円寺に帰れと言われていた。 矢萩屋の大将から娘の恵子と結婚して矢萩屋をついでほしいと言われた時、正雄は矢萩屋をやめ高円寺に帰ることを決心する。 正雄は8年ぶりに高円寺に戻ってきた。 そこで高円寺阿波踊り集団の一つ「一揆連」の高山はるかに知り合う。そして二人は恋におちる 一茶の句 二人は高円寺で小さいながら和菓子の店を出す。店の名は「和菓子舎むーさん」。新装開店の朝、ふたりは婚姻届けを出す。 その後二人に思いもよらぬことがおこる。 それにしても高校中退の正雄君はもてます むーさんと小林一茶が正雄をまっとうな人生へとリードする。 ところでむーさんは何故あんなに正雄君が気にったんだろう <寒き夜や我身(わがみ)をわれが不寐番(ねずのばん)> ----目次----
by marifami
| 2018-05-30 19:04
| 読書
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