昨日6月15日付け東京新聞朝刊22面<多摩>面に載っていた記事。 『日野市は十五日から、東日本大震災で被災した宮城県女川町のがれきを市クリーンセンターで受け入れる』 『今日は八トンの予定。来年三月までに最大千四百トン受け入れる。がれきは主に木くずで、・・・。市内の一般ごみと混ぜて燃やす。』とのこと。 市のHPによると女川町のがれき受け入れは 『被災地・宮城県女川町での処理は能力的・時間的に限界があるため、現地からの依頼を受けて支援するものです。』でこのがれきの放射線量については国際的な基準である<一般公衆の年間被ばく許容量は1mSv(自然界からの放射線量0.04μSvを加えて0.23μSv/毎時)>以下とのことだ。 原発事故をかかえた福島県のがれきの県外搬出はさておいて、宮城県・岩手県のがれきの広域処理(県外受け入れ)に多くの自治体が難色を示し、反対を叫ぶ住民の声も大きい。 (1)まずは、一体どのくらいのがれきがあり、広域処理する量はどの程度なんだろうか? 環境省 岩手・宮城「がれき処理データサイト」によればがれき総量のうち広域処理は全体の14.7%だ。 (2012年5月21日現在) 岩手県 525万トン 広域処理 120万トン 22.9% 宮城県 1154万トン 同上 127万トン 11% 計 1679万トン 同上 247万トン 14.7% 上記がれきの量は岩手県で平年の12年分、宮城県で14年分になるそうだ。 政府は、震災から3年後の26年3月までにがれき処理を終えるという目標を立てている。 阪神淡路大震災でも災害廃棄物のうち可燃物の約14%が広域処理されたとのこと。 原発事故を抱えた福島県ではがれきの広域処理は完全に自粛している。 以上政府(環境省)のHPからの情報だけであるが、まともに対応したら12年~14年かかるがれき処理を少しでも早めることが出来るのであれば、県外でがれき処理を実施することは理解できる。 (2)懸念される放射線量について 時の政権が発表する宮城・岩手のがれきの放射線量は信用できないという立場とか、福島原発事故で発生した放射線量の影響はゼロでなければ危険という立場でないかぎり、安全基準内の放射線量を含んだがれきを受け入れることは、おおきな懸念材料にはならないと考える。放射線量を含んだがれきの全国拡散による50年後、100年後の影響?これはわからないというしかない。 とは言え、50年後、100年後の安心の担保がとれないからと言って、現状を否定し出すと何も進められなくなる。 (3)がれきの広域処理について 放射線量に限らず、例えば基準以下とは言え有害物質を含んだ産業・家庭廃棄物は出来うるなら発生地域内で処理するのが望ましい。 通常、日野市の生活廃棄ゴミを輸送コストをかけて宮城県仙台市まで運び、そこで処理するのは好ましくない。 が、好ましくないがあえてそこまでしなくてはならない場合もありうるのだ。 東日本大震災と福島原発事故は未曾有の惨事で50年後、100年後でも確実に歴史に残る日本の大災害だ。 と大上段に構えてしまったが、我が町日野市の宮城県女川町のがれき受け入れは理解できる。ところでがれき処理する日野市のクリーンセンターは自宅から見てちょうど浅川対岸にある。ちなみに今年3月下旬にクリーンセンターそばの浅川土手下で自分で計測した放射線量は0.07μSv/毎時。24H&365日換算で1mSv/年以下の614μSv/年だ。
by marifami
| 2012-06-16 11:42
| 東北大震災&原発災害
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