今宵の多摩は薄曇。 11月の後半のこの時期には晴れた夜空だと冬の星座がよく見える。 これは太陽系から1000光年の範囲の宇宙。(国立天文台提供の「mitaka」にて作成) 冬の星座の代表であるオリオン座を構成する一等星の青いリゲルと赤いベテルギウスがなかよく1000光年のなかに入っている。 今話題の『宇宙は何でできているか』<素粒子物理学で解く宇宙の謎 村山斉著>(幻冬舎新書)を読む。 「学校では「万物は原子からできている」と習いますし、たしかに地球以外の星も原子でできてはいます。しかし実は「原子以外のもの」が、宇宙の約96%を占めているーそれがわかったのは、2003年のことでした。」 ということは太陽やリゲルやペテルギウス、そして我が地球だけでなく、宇宙のすべての星や宇宙空間に漂う原子をかき集めても、その質量は宇宙全体の質量の4%ほどしかないということだ。 たしかに高校の頃、<万物は原子から出来ている>と習った記憶がある。 ところが今の時代だと、<万物は原子が4%、原子以外の正体不明のものが96%>ってなことになるんだ。 <原子以外のもの>96%のうち<暗黒物質(ダークマター)>が23%、<暗黒エネルギー(ダークエネルギー)>が73%。 暗黒物質は正体不明だが、「正体は不明でも、それが「ある」ことはわかっています」。地球は太陽を回る、太陽系は天の川銀河を回る。「ところが天の川銀河全体の星やブラックホールをすべて集めても、太陽系を引き留めておけるほどの重力にはならないのです。」「何の重力が太陽系をここに引き留めているのか。それが暗黒物質です。」 現時点ではあることはわかっているが、物理的に計測することができない正体不明な物質?が暗黒物質。 暗黒物質以上に奇妙なのが暗黒エネルギーだ。 現在の観測事実によれば「宇宙は膨張し、その膨張スピードが「加速している」」ということだ。 この宇宙は広がっている。それも加速して拡がっている! しかし、この事実を説明するためには「不気味なエネルギーの存在」が必要になる。「空間が広がっているのに、エネルギーが薄まっていない。つまり、空間が広がるにつれて全体のエネルギーも大きくなっているわけです。」この正体不明のエネルギーが暗黒エネルギーだ。 これは現在の観測可能な宇宙のすべて(国立天文台提供の「mitaka」にて作成) 今現在観測できた137億光年先の星もこの宇宙の加速膨張によって、いずれ観測出来なくなるかも。 さぁ、晴れていたなら、たまには冬の夜空を見上げてみよう。 膨張するこの宇宙を実感できる? それもジットコースターなんかじゃ比べ物にならないくらいのスピードで加速しているんだよ。
by marifami
| 2010-11-20 00:29
| 読書
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