今からウン十年前、サラリーマンになって社内報の新入社員自己紹介欄にこんなことを書いた覚えがある。特に抱負を書くでもなく「もし半日時間ができたら浅川マキを聞く。1日暇がとれたら美空ひばりを聞く」 同期の新人が「よろしく。頑張ります云々」って当たり障りのない自己紹介文を書いているのに比べ、新入社員の自己アピールにしては、随分とヒネて渋い、今から思うと典型的な団塊世代の呟きっぽい自己紹介文だ。 別に寺山修司のアングラ世界にかぶれていたわけじゃない、当時は新宿ネオン街なんかも知らなかった。 サラリーマンになってすぐに浅川マキのLP(!)を買い求め、夜は家の自室で会社の新入社員研修テキストを横において何故か浅川マキの歌を繰り返し聞いたもんだ。 LP名は確か「浅川マキの世界」だったと思う。 <夜が明けたら> <ふしあわせという名の猫> <淋しさには名前がない> ・・・・ もう1枚LPを買い求めたな。 <少年> <花いちもんめ> <私が娼婦になったら> ・・・・ けだるくなってなにもする気が起きてこなくなるような唄ばかりだった。 だみ声と済んだ高音。 こんな女が横にいたら、あわてて逃げ出してしまうに違いなかった。 それなのに繰り返し聞いた記憶がある。 2枚のLPはとっくの昔に処分してしまった。 懐かしくはないけど、鮮明な記憶だ。 3,4年前頃だったと思うけど、一度テレビで見たことがある。 当たり前だけど随分と老けたなって印象だった。 浅川マキ、今月17日夜 滞在先の名古屋市内のホテル自室で急死。67歳。 テレビ報道にて知る。 彼女、確か美空ひばりに憧れていたんだよなぁ。
by marifami
| 2010-01-20 00:30
| 映像・歌
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